読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あとーすログ

言葉と文芸とインターネット

1月に読んだ7冊の本

小説

今年は100冊本を読むぞーと意気込んで、Evernoteに「2016年100冊読破チャレンジ」というノートまで作ってしまいました。

1月は、前半こそ卒論を書いていて忙しかったのですが、提出してしまってからはそこそこ時間もできて、7冊の本を読むことができました。すべて小説です。もうこのブログで感想を書いてしまったものもあるのですが、振り返りのためにまとめたいと思います。

ちなみに、1年で100冊読むためには1月に8~9冊は読まなければならないので、2月は頑張りたいと思います。

 

綿矢りさ『しょうがの味は熱い』

『しょうがの味は熱い』については、こちらにも書きました。

 

atohs.hatenablog.com

僕は好きな作家の一人として綿矢りさを挙げているのですが、全作品を読めているわけではないので、今年のうちにすべて読んでしまおうと思っています。一応、手元に未読の作品は全てあります。本棚をしばらく整理していないので、どこにあるのか分からない作品もありますが……。

綿矢りさは、作品から年を取っている感じが分かっていいなと思います。『インストール』や『蹴りたい背中』ではスクールカースト下層の女子高生を描いたわけですが、年を取るにつれて、社会を知るにつれて、世界が広がっていく感じ。まあ、恋愛が真ん中に据えられていることが多くて、それで世界が広がっていると言えるのか、という問題もありますが。『しょうがの味は熱い』も恋愛小説ですね。でも、僕は綿矢りさの人間の書き方が好きです。あと、文体や比喩が好きなんですよね。

 

しょうがの味は熱い (文春文庫)

しょうがの味は熱い (文春文庫)

 

 

 

カミュ『異邦人』

こちらも、以前に感想めいたものを書いています。

 

atohs.hatenablog.com

 面白かったか、と聞かれると「うーん」と答えざるを得ないのですが、よく考えてみれば僕は『ハリー・ポッター』シリーズ以外で、外国の作品を読んで面白いと思ったことがないんですよね。

でも、後半は面白かったと思っています。これから読む人は、前半はつまらなくても読んでみることをおすすめします。

 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

 

 

 

本谷有希子『生きてるだけで、愛』

これもブログで書いてますね……。

 

atohs.hatenablog.com

 これは本当に面白かった。緊張感を保ちながら、時々笑わせてくれる。おもしろすぎて、このあと本谷有希子の本を二冊買ってしまいました。読むのが楽しみです。

 

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

 

 

 

川村元気『世界から猫が消えたなら』

ここから先の4冊は、個別に記事を書いていないものになります。

正直に言って『世界から猫が消えたなら』はとてもつまらなかったです。初心者が書いたんだろなというのが分かる感じ。川村さんが企画を務めた映画の『モテキ』とか大好きなので、わざわざ小説なんて書かなくても……というのが正直な気持ちです。

なんというか、プロットにそってまっすぐに書こうとする意図がバリバリ感じられて、読んでいるこちらとしてはつまらないんですよ。寓意みたいなものをめちゃくちゃ詰め込まれるし。伊坂幸太郎はこの辺がうまくて、寓意っぽい言葉も全然押し付けがましくないんですよね。

しかも、『世界から猫が消えたなら』ではギャグがめちゃくちゃスベりまくる。直前に本谷有希子を読んでそれが僕のツボにぴったりハマったからかもしれませんが、まあつまらない。この手のつまらない小説は以前にも読んだことがあります。水野敬也『夢を叶えるゾウ』です。いや、『夢を叶えるゾウ』は自己啓発本として捉えるとめちゃくちゃ面白いんですよ。しかも、その自己啓発本っぽいということをメタ的に捉えることができているのもいい。でも、小説として読むと心底つらいです。寒いギャグを詰め込みすぎている。そういうのを漫画てやったら面白いのかもしれないのですが、小説でやるのは最悪ですよ。で、『世界から猫が消えたなら』も同じスベリ方をしている。『夢を叶えるゾウ』も巻き込んでごめんなさい。

いや、もしかするとラノベとかではこういうのが普通なのかもしれません。今度ラノベちゃんと読むか……。

 

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

 

 

 

島本理央『シルエット』

早熟の天才に嫉妬を覚えるタイプの人間なので、島本理央を読んでみました。芥川賞の常連ということでよく名前を見るので、読んでおかなければと思ったのも理由の一つではあるのですが。

で、読んだ感想としては可もなく不可もなく。17歳のときに「シルエット」が群像新人文学賞の優秀作に選ばれたのは本当に凄いと思うのですが、17歳なりの未熟者がある感じ。僕は綿矢りさの初期作品が大好きなので比較に出しますが、『インストール』とか『蹴りたい背中』は未熟だけど未熟だからこそのギラギラした感じがあるんですよね。で、『夢を与える』とか『勝手にふるえてろ』とか『かわいそうだね?』では徐々にそのギラギラした感じが失われていく。『しょうがの味は熱い』なんて、全然ギラギラしてないんですよ! でも、確かに圧倒的にうまくなっていて、磨かれるものがある中で失われていくものがあるんだなあという感じです。

で、島本理央の『シルエット』に収められている作品は表題作を始めとして、ただただ未熟だという感じがします。いや、もちろん僕が書くよりも100倍うまいです。あるいは、もっとうまいかもしれない。けれど、これたぶん今だったらもっともっと書けるんじゃないかなと想像しています。最近の作品を読まずに、勝手に想像してしまい恐縮ですが……。でも、決して嫌いな感じではなかったので、いつか他の作品も読んでみたいなと思っています。

 

シルエット (講談社文庫)

シルエット (講談社文庫)

 

 

 

嶽本野ばらロリヰタ。

この小説を読むまで、僕はずっと嶽本野ばらを女性作家だと思っていました。男性作家でした。まず、そこでびっくり。

これを読んで、僕は小説の新しい扉を開いたような気がします。「めちゃくちゃ面白かった!」ということはできなかったのですが、少なくとも他の作品を読んで「小説」というものの意味を考えたくなりました。本当に、今まで全く読んだことがない感じの作品。

ネタバレになっちゃうんですけど、だからこれから『ロリヰタ。』を読もうと思っている方はこの部分を飛ばして読んでもらえると助かるんですけど、「僕」が恋した「君」が実は小学生でした! という部分が衝撃的すぎます。「間違えるわけねえよ!」と心の中でつっこんだのですが、でも、もし本当に間違えたら……? と自分の問題としてこの小説を読んでみると、「僕」はとても真面目で自分を持った人物だなあと思います。僕だったら、たぶんショックで寝込んでしまいます。

 

ロリヰタ。

ロリヰタ。

 

 

 

星新一『ようこそ地球さん』

星新一作品は理論社ショートショートシリーズで大抵読んでいると思うのですが、読んだことのない作品もたくさん入っていました。それは、『ようこそ地球さん』が初期の作品を集めたものだからかもしれません。洗練されていない作品もいくつかありましたし、何より「ショートショート」と呼ぶにはちょっと長い作品があるのも印象的でした。でも、前半に収録されている作品はザ・星新一といった感じ。

実は星新一の長編小説も買っているので、そのうち読みたいなあと思っています。星新一ショートショートの面白さは十分すぎるくらいに知っているつもりなのですが、長編は果たしてどうなのか……。もちろん期待していますが、やや不安もあります。

 

ようこそ地球さん (新潮文庫)

ようこそ地球さん (新潮文庫)

 

 

 

まとめ

本当はすべて個別に記事を書こうと思っていたのですが、「そんなに書くことないな……」と思ってやめてしまいました。2月も、このスタイルでまとめることができればいいかなと思います。おすすめ小説、募集しています。