LINE BLOGはブログではないのかもしれない
11月14日にLINE BLOGが一般向けに開放されました。同サービスが開始されたのは2014年11月のこと。これまで、執筆・公開の機能を使えるのは著名人に限られていました。
また、これに合わせてLINE BLOG用のiPhone・Androidアプリをリリースしています。
コミュニケーションアプリ「LINE」を主軸として、様々なアプリ・サービスを展開しているLINE株式会社。今回のLINE BLOG一般開放は、群雄割拠のブログサービスにどのような変化をもたらすのでしょうか。
最近話題になったブログサービス
本題に入る前に、まずはここ1年ほどの間で話題になったブログ系サービスを3つ挙げてみましょう。
1つ目は株式会社ピースオブケイクが提供する「note」。記事などを有料販売できるというのが大きな特徴で、新たなコンテンツ収益化の手段としてブロガーなどの間で話題となりました。
しかし、収益化に成功できたのは、すでにブログやオンラインサロンなど、従来のインターネットでも収益化に成功していた人が中心という印象。他のブログサービスと比べて若干癖のある編集画面で、ネット有名人が集まる場所という印象でした。
2つ目はMedium。書く人のことを考えて作られたサービスで、複数人の記事を束ねられるマガジン機能が便利。ただ、こちらは編集者や起業家が中心に使っているイメージがあり、noteと同様、人口に膾炙したいるとは言いにくい状況です。
3つ目はg.a.o.t。こちらはKDDIウェブコミュニケーションズが開発しています。
これに至っては、誰も使っていないんじゃないかという状況。僕はnoteとMediumに乗り遅れた感があり、ちょうどそう感じていたタイミングでg.o.a.tが出てきたので、サブブログとして使ってみることにしました。もうあまり使っていないですが…。僕みたいに、とりあえず使って見てもう更新していない、という人もよく見かけます。
LINE BLOGの立ち位置
LINE BLOGが一般開放されたらしいと知ったきっかけは、LINEのプレスリリースでもニュースサイトの記事でもありませんでした。Twitterでフォローしている人たちが次々とLINE BLOGを開設していて、何かがおかしいぞと思ったわけです。
ただ、そうやってリリース後すぐにLINE BLOGを開設した人たちは、すぐに使わなくなるんだろうなと思います。今は、新しいものに飛びついている状態。g.o.a.tと同じように、サブブログ的に使っている人もすぐにやめちゃうと思います。
それは何故かというと、LINE BLOGががっつり書く人のためのサービスではないからです。
LINE BLOGの大きな特徴は、スマホアプリからしか編集・公開ができないということです。諸事情あって、この記事は半分くらいスマホで書いているのですが、イライラして仕方ないです。スマホはやっぱり、もりもり文章を書くには向いてないんですよ。
じゃあどんな人が使うようになるかというと、今までブログなんて持っていなかったような、文章書くのなんて面倒だと思っている人たちが使うのではないかと考えています。
僕は1993年生まれで、中高生の頃はモバスペやナノといったいわゆる「ほむぺ」が女の子の間で流行していました。僕は忍者ブログでごりごり文章を書いて承認欲求を満たしているときに、彼女たちは日常をストックして、それぞれに交流していたのです。
その交流の場が、現代ではTwitterやInstagramに移ってきたのでしょう。しかし、そういったSNSはそれぞれが個人的なスペースを持つことができませんでした。ひたすらに情報が流れていく川の中に、みんなが一緒にいる状況。これは、モバスペやナノ時代から失われたものなのです。
そう考えるとLINE BLOGは、他のブログサービスの系譜ではなく、モバスペやナノといったサービスに連なるものなのではないでしょうか。
LINE BLOGについての考察は、けんすうさんの以下の記事も非常によいです。ここでも、LINE BLOG内での「ネットワーク化」について触れられています。
ネット上で文章をばりばり書きたいという人は、これからもはてなやWordPressのような御用達サービスを使うのがベストだと思います。
それに対して、LINE BLOGが対象としているのは、これまでブログなんて書いたことのない人たち。そのために、2年もかけて著名人を2000人も集め、今回の一般開放に踏み切ったのでしょう。
さいごに
僕もLINE BLOGのアカウントを作ってみたので、気が向いたら何かしら書いてみようかなと思います。まあ、もう色々とアカウント持ち過ぎててお腹いっぱいなんですけどね…。