文芸部誌甲子園のようなものをやりたい
大学の文芸部ってあまりにも目標がなさすぎない?
ということをずっと考えている。
運動部であれば、地域や全国のリーグがあって、その中で優勝を目指したり上のリーグへの昇格を目指して頑張ることができます。
また、文化系にしても吹奏楽やオーケストラなんかの音楽系は大会や発表会がある。
目標があれば、そこに向かっ頑張ることができます。リーグ昇格を果たすため、ライバル校に勝つため、部員たちは日々努力を続けます。
でも、文芸部って何のために頑張ればいいんだろう。そんなことをふと考えた。別に文芸なんて基本的には一人でできるわけで、大学で文芸部を作って活動することにどれほどの意味があるのか。
高校までだったら、課外活動の一環としてそれなりの意味があるように思う。高文祭なんかで賞を用意して、そこを目指して頑張ってもらうということの意味も分かる。
でも、大学生になったらもう学生専用の文学賞なんてものはほとんどなくて、他の小説家の人たちと新人賞レースで戦わなければならなくなる。そうであれば、大学の文芸部なんて必要ないんじゃないか。
もちろん、僕はコミュニティとしての文芸部に魅力を感じていないわけではない。大学生の頃は公式ではないが学内の文芸サークルに入っていたし、そこで様々な人と出会い、様々な意見を交換することができたのは非常に有意義なことであった。
でも、やっぱりそれだけなのだ。僕が入っていたところもそうだったけど、文芸部というのは年に数回部誌を出すということが目標となってしまう。発行してしまえばそれで終わり。これだったら、Web上に小説を投稿するのと何ら変わりないのではないか…?ということを考えることもしばしばだった。もちろん、そうであってはならないと僕は考えている。せっかく部誌を出すのであれば、一人では実現できないことをやりたい。
ということをモヤモヤと考えながら、一つの構想が浮かんだ。
部誌を作る技術を競えばいいのではないか?
部誌というのは、文芸部としてのアウトプットとしてはほとんど唯一のものだ。その制作に部員たちは全力を注いでいるはずである。小説を書きたいのであれば、一人で書いてWebにアップするなり印刷所に持ち込んで刷るなり新人賞に応募するなりすれば良い。ただ、全員でアイディアを出して一冊の部誌を作ることは、誰かと一緒でなければできないことだ。
そのクオリティを競うことは、これからも文芸に携わる上での技術力向上につながるのではないだろうか。そしてそれが、文芸部に参加することの意味になるのではないだろうか。
文芸部誌甲子園のようなもの
出版甲子園というものがある。
出版甲子園は、学生の、学生による、学生のための出版企画コンペティションです。
応募資格は、『学生』であること。
参加企画は、厳正な審査と、決勝大会におけるプレゼンバトルで競い合います。
そして出版甲子園を通して編集者の目に止まった企画はついに出版へと向かう。
要するに、こうしたものの文芸部誌版を作ることができれば非常に面白いのではないかと思う。
部誌のクオリティというのは、寄稿されている作品だけで決まるものではない。まず最初にどのような企画で原稿を集めるのかというのが大切だし、そこから編集を経て、表紙デザインも本文の組版も、こだわろうと思えばどこまでもこだわることができる。
そのように、寄稿されている作品以外の観点からも部誌を評価できる大会のようなものがあれば良いなあと考えている。
まとめ
個人的には、文フリとかの同人誌即売会で部誌をめちゃくちゃ売るとかが目標でもいいと思っている。ただ、そういう場合でもこういう大会があれば(そしてその大会にちゃんと権威付けが為されれば)、販促としての効果も期待できると思う。
将来は作家や編集者として食べて行きたいという学生たちが総合力で競うような舞台になれればと思うんだけど、どうですかね?
Twitterのbotアイコンをココナラを使って500円で作ってもらった
もう5年ほど、Twitterのbotを作ることを趣味としている。
とはいえ、僕がプログラミングできるというわけでもないので、Twittbotというサービスを利用して作っている。ツイートしたい文言と時間の感覚を指定すれば、あとは勝手に投稿してくれる。他のところからデータを引っ張ってきて加工する、みたいな高度なことはできないのだけど、淡々と情報を流していくbotが作りたかっただけなので、特に不満はない。
フォロワーが数百人しかいないものから数万人規模にまで成長したものまで様々あるのだが、特にフォロワーが多いbotとして「物書きのための語彙bot」というものがある。
主に小説を書く人たちに対して、特徴的な単語を紹介しているbotだ。
烏の濡れ羽色……濡れた烏の羽のようにつやつやとした黒を言い表します。日本女性の黒髪を表すことが多いです。私、濡れた烏って見たことないんですけどね……。
— 物書きのための語彙bot (@monokakigoi_bot) 2017年4月10日
このbotのアイコンだが、以前は以下のような画像を使っていた。
知人に鉛筆で描いてもらったイラストをスキャンして取り込み、僕がWindowsのペイントツールで塗っただけというお粗末なもの。
これはこれで愛着が湧いていたんだけど、せっかくフォロワーも多くなったし、もう少しクオリティの高いアイコンにしたいなと常々思っていた。
ところが、友人で絵を描くのを趣味としている人は何かと忙しそうだし、自分で描くにはあまりにスキルが足りない。
どうしようかなと悩んでいたところで、ココナラ というサービスを思い出した。
ココナラとは個人がスキルを売買できるサービスで、僕も以前、数の奴隷というブログの絡みであなたの気になるものを何でも数えますというサービスを出品したことがある。ちなみに、一件も売れなかった。
色々なサービスが出品されているのだが、その中でもイラスト系は結構な量な出品がある。価格もピンからキリまで様々。最低出品価格の500円から3000円以上するものまである。
出品者もプロではない方がほとんどだが、Twitterのアイコンを描いてもらうならば問題のないクオリティだし、自分で描いたりいつも描いてもらっている知人に頼んだり、新しく描いてもらう人を探すくらいならば、少しお金がかかっても労力を削減できるのであれば良いのではないかという結論に至った。
今回、ココナラで発注する人を選ぶために考えていたことは以下の通り
・予算は500〜1000円
・あまり素人っぽい感じが出ていない
・過去に取引実績がある
ココナラを使っての依頼が初めてということもあり、予算は低めに設定した。
また、デフォルメイラストなどでもいいので、あまり素人っぽい感じが出ていない人に頼むことを指標とした。最終的には、自分の好みの絵柄かというところも大きく影響するんだけど…。
過去に取引実績があるかどうかも見ていたけれど、気に入った絵柄であれば恐らくまだ取引がなくてもお願いしていたと思う。
そんな中で見つけた出品者が、なるこけっこーさんだった。
いくつか出品されているが、こちらはなんと1枚500円で描いてもらうことができる。
線画を確認した後に着色という流れで、描き直し・訂正も2回までは無料で行ってもらうことができる。
僕の場合は、特に線画にも着色にも問題がなかったため、1回目で納品をしてもらった。
1週間もかからずにアイコンを描いていただけたので、非常に満足している。
で、描いてもらったアイコンがこちら。
まとめ
Twitterアカウントを運用するにあたって、アイコンは割と大切な要素だ。
自分でイラストを描ける場合は対応できるだろうが、そうではないという人も多いだろう。
そんなときは、、ココナラ で描いてもらうのも良いと思う。
僕も他に運用しているbotがまだいくつかあるし、これからも作ろうと思っているので、またお願いしようと思っている。
物書きのためのプロフィールサイトを作りたい
物書きのためのプロフィールサイトを作りたいな、と仕事をしているときに考えたので、今のところ考えていることをばばっとまとめておきたいと思う。
作りたいと思ったきっかけ
wantedlyとか見てて、ビジネスプロフィールみたいな形で物書きプロフィールみたいなものをまとめられると面白いかなあと思ったのがきっかだった。名刺代わりみたいな。ある程度はTwitterでいいと思うんだけど、何せプロフィールに詰め込める情報が少なすぎる。じゃあ小説投稿サイトのプロフィール欄に書けばいいのかなあと思ったんだけど、どこのサイトもさほどプロフィールに力を入れていなかった。
やる気のある人だったら、WixとかJimdo、あるいはtumblr、WordPressなんかを使ってポートフォリオサイトを作るんだろうけど、そこまでして作るのも面倒くさい。
という感じなので、ちょうどいいプロフィール作成サービスがあればいいなあと思っている。
必要な項目
プロフィールには、以下のような情報が記載されていればいいかなと思う。
- ペンネーム
- ID(TwitterのIDみたいなやつ)
- 生年月日
- 性別
- プロフィール概略
- 書くもの(小説、ライトノベル、詩、俳句、短歌、評論、とかから自分が書くものを選んでタグ付けする)
- 受賞歴(落選歴も含める感じ)
- 投稿小説へのリンク
- SNSアカウント(Twitter、Facebook)
- 作成した・参加した同人誌の情報(書影含む)
特に重要なのは「受賞歴」と「投稿小説へのリンク」。
「受賞歴」については、個人的知りたいという気持ちがある。落選歴も含めたいなあと思うのは、僕がその人の筆力を客観的に知るためのある程度の指標にしているから。
「投稿小説へのリンク」は、様々な投稿サイトや自分のブログなんかに作品が散乱していても、一元管理できるから便利かなと考えている。この辺りは、ちょっとアルファポリスと似ているところがあるかもしれない。
付け加えたい機能
基本的には、上に挙げたものを記載することができればいいと考えている。あとはTwitterなりブログなりにURLを貼り付けて飛んでもらうという感じ。
ただ、これだけだとあまり味気ないかなという気もするので、以下のような機能を付けたい。
検索機能
これは基本だけど、サービス内で任意のキーワードで検索するような機能を付けたい。「書くもの」のタグでフィルタリングできる機能もつけたい。受賞歴とか落選歴で検索できるのも良いと思う。
小説投稿機能
最終的には小説投稿機能もあった方が便利だと思う。プロフィールと作品を一元管理できるようにしたい。ただ、普通に小説サイトをやってももはや流行る気がしないので、最初にプロフィールサイトとして始めた後に、投稿機能もくっつけたい。
まとめ
なんか書いてみるとぜんぜん大したものじゃないような気がしてきた。
でも、こういうのがあれば同人誌とか作るときに面白そうな書き手を見つけるのにすごく便利だなあとか思う。「寄稿したいです!」みたいなステータスを表示する機能をつけてもいいかもしれない。
というのを、自分の勉強がてら作れたらいいなあと思うけど、だいぶ先の話になりそうだ。
社会人として演劇をするために考えておきたいこと
奇特なことに、社会人になって忙しいのに演劇をやっている人がたくさんいる。僕もその一人だ。この記事は、社会人から演劇を初めてみたい、あるいは学生時代にやっていた演劇をこれからも続けたいという人に向けて書かれている。
これから演劇を始めたいと思っている人へ
まずは、社会人になって新しい挑戦をしようと思い、なぜか演劇という道を選び取りそうになってしまっている人へのアドバイスだ。
恐らく、あなたは「役者」をやりたいのだと思う。別に照明や音響や舞台監督をしたいならそれでも構わないが、「社会人から演劇を始めたい!」と言って裏方志望だった人を僕はあまり見たことがないので、ここでは除外しておく。
社会人から演劇を始める方にとって最大の疑問は、「どうやったら演劇を始めることができるだろうか?」ということだと思う。
これについての答えは大きくわけて二つ。一つは、団員を募集している劇団にコンタクトをとること。もう一つは自分で劇団を作ること。後者は仲間が集まらないしお金がいくらあっても足りないしお客さんも集まらないので、僕はなるべく前者の方法をとることをおすすめしている。
都市部の方は知らないけど、たぶん地方の劇団は普通にWebサイトとかで団員を募集していると思う。僕は熊本に住んでいるんだけど、熊本の劇団は大抵どこも人を募集している。引く手数多だ。好きな劇団を選ぶという。
とはいえ、どんな劇団があるのかわからないと思うから、まずはその劇団の公演を観に行くのが一番いいだろう。こりっちというサイトを使えば、全国の公演情報を手に入れることができる。自分が住んでいる地区でソートして、気になる公演を見つけてみよう。
ここで、「アマチュア劇団の公演に数千円も払うの?高くない…?」と思った人もいることだろう。そういう人は演劇をやるのが今後どんどんつらくなっていくと思うので、早めに他の趣味を見つけよう。
社会人として演劇を続ける
ここからは、社会人になって初めて演劇を始めるという人も、学生時代にもやっていた人も、どちらも対象として話をしていこうと思う。
基本的には、演劇以外に本業があって、役者としてはぜんぜん収入がない状況を想定している。本業を捨てて役者一本で食っていきたいという人は、他のライフハックがあると思うので、「いつ見ても波瀾爆笑」とか「幸せボンビーガール」で役者がゲストの回を見ることをおすすめする。
本番に出ることができるか?
役者として一番求められるのは、演技力でもやる気でもなくて、まずもって「本番に出ることができるか?」ということだ。当たり前のことだが、ここを忘れてがむしゃらに頑張ると、頑張りが水の泡になりかねない。
基本的には仕事の休みというのは土日だろうから、それにあわせて公演を打つような劇団を選ぶのが良いだろう。ここで、仕事の休みが土日固定ではないような仕事だと、演劇をするのは難しいかもしれない。また、場合によっては公演前日の仕込みから手伝う必要がある場合も多いと思うので、有給が取りやすい環境の方が良いと言える。
土日の休みが固定だとしても、突発的に土日が仕事になるようであれば、演劇は少し考え直した方がいいかもしれない。演劇の本番と仕事であれば、仕事を取らざるを得ないような場面というのも想定できる。そうなってしまっては、他の団員にも楽しみにしているお客さんにも迷惑をかけてしまうことになる。
稽古に出ることができるか?
本番に出るためには稽古に出なければならない。先に言っておくと、稽古に全く出なくても本番に出る場合というのは想定できる。何か一言だけ言って去るとか、ずっと黙って舞台の隅に座っているとか、そういう役であればチャンスはある。しかし、大抵の場合は稽古をしなければ本番に出ることはできないだろう。
社会人として稽古に出るのであれば、基本的には終業後と土日に稽古を行うしかない。社会人ばかりが所属している劇団であれば、そのあたりはスケジュール調整が行われていると思う。
例えば平日の稽古時間が夜8時以降からだったとして、定時の5時や6時に会社を出ることができれば稽古に参加することができる。しかし、職種によっては定時退社が難しい場合も。僕はまさしくこれで、平日は仕事で夜遅くなることが多く、なかなか稽古に参加することができない。参加できたとしても、最後の1時間だけ参加したりすることも多いし、下手をすると他の出演者も巻き込んで深夜遅くまで稽古することになったりもする。すると、自分が体力的にも精神的にもきついのはもちろんのこと、他の人にも同じつらさを強いることになる。このことは、覚えておいた方が良い。
平日に十分な稽古ができないのであれば、休日は多くの時間を演劇に捧げなければならないだろう。公演前は、数週間・数ヶ月間というスパンで全ての土日を稽古に使わなければならない場合も出てくるかもしれない。当然、他の趣味に割くことのできる時間はグッと減ってしまう。
セリフを覚えることができるか?
ここまで書いて僕はもう絶望しかけているのだけど、やるべきことはまだある。セリフ入れだ。セリフを入れなければ、稽古も満足に行うことができない。もちろん、セリフの言えない役者は本番で必要とされていない。ただでさえ仕事と稽古で時間がないのに、その合間を縫ってセリフを覚えなければならないのだ。自分のために割くことができる時間はどんどんと減っていくということを覚悟しておくといい。
セリフの覚え方については以下のような記事を書いたので、これから演劇を始めるという人は参考にしてほしい。
セリフなんて覚えられる人はちゃちゃっと覚えることができるのだろうけど、僕は死ぬほどセリフ覚えが悪いので死ぬほど時間がかかる。だから、自分が暗記力のいいタイプかそうではないかというのは、社会人として演劇をやるために割りと大事な要素になる。
演劇にどれくらい時間を割けるか?
結局のところ、自分の時間をどのくらい演劇に割けるのかということが重要になってくる。1日は24時間しかないし、1週間は168時間しかない。その中で僕たちは仕事をしなければならないし、食事をしなければならないし、睡眠をとらなければならない。他にもやらなければならないことはたくさんある。その中で、自分のために使える時間がどれだけ残るだろうか。そしてその自分の時間の中から、どれだけを演劇のために捧げる覚悟があるだろうか。そのことは、社会人として演劇をやる前に考えておいた方がいいことだと思う。
まとめ
要するに、社会人として演劇をするのは時間が足りないし、自分の時間をかなり捧げなければならないということだ。そこまでして演劇をやりたいのかということを考える必要がある。
もちろん、考えてみてわからなければ、とりあえず始めてみるのもいいだろう。時間的に厳しかった、自分の時間がなくなって楽しくなくなってしまった、などと感じるのであればそこでやめればいい話だ。
ただ、いざ始めてしまうと「このタイミングでやめるのも…?」という気持ちが首をもたげてくると思うので、ここに書いたようなことを定期的に思い出してみてほしい。
セリフ覚えが死ぬほど悪い人のためのセリフの覚え方
熊本で演劇をやっている。昔から死ぬほどセリフを覚えるのが苦手だ。大体、本番直前につらい思いをすることになる。
そして、本番前のつらい時期になると、覚えないと死が待っているのでめちゃくちゃ集中してセリフを覚える。というか、集中的にセリフを覚える方法を編み出し始める。
ただ、その多くを忘れてしまうので、また次の台本を渡された時にはセリフを覚えるのが死ぬほど下手くそになり、本番前にセリフを覚える方法を再発明することになる。
そして今回も見事にセリフで死んでしまったので、未来の自分のためにセリフの覚え方を書き記しておく。
場面を分ける
本番が近づいてくると大体やるのに、いつも忘れてしまうのがこれ。まず台本を覚えやすいサイズに分割する。
分割の仕方はなんでもいい。数回読んで、意味のまとまりで区切ったり、ト書きの位置で区切ったりする。自分の中で明確にシーンをわけることができればなんでもいい。
そして、区切る時にはシーン毎に番号をつける。こうすることで、覚える時に覚えているしーんと覚えていないシーンを簡単に峻別することができる。「◯番は同じような意味のセリフが続くから、覚えにくいんだよなー」みたいな認識を作り出すことができる。
また、番号を教えつけることで、いくつのシーンを覚えればゴールとなるのかがわかりやすくなる。「台本を全部覚える!」だとモチベーションを維持しにくいが、「◯番と◯番は完璧だ!」みたいな管理の仕方をすると、セリフ覚えの進捗を数値化して把握することができる。
ということに、今回も早く気づけばよかったのだ(中途半端に番号の振られた台本を見ながら)。
イメージとして焼き付ける。
セリフというのは物語上の必然として発生するので、ちゃんと読んで理解すればおのずとセリフが頭の中に浸透するのだろうけど、これではとても時間がかかってしまう。また、単純明快で直線的な話だったらいいのだけど、少しでも込み入った話になると、演じている側は何が何だか分からなくなることも多い。というか、稽古をしてシーンを当たっているうちにわかるようになってくることがほとんどだ。
だから、まずは話の流れなど無視してセリフを覚える。そのうち、「このセリフってこういうことなのかー」と実感できる瞬間がくるから大丈夫。
番号がふってあるなら、それに沿って覚える。まず、自分の台詞にマーカーを引く。そして、番号の中に自分のセリフが何個あるのかと、その位置を確認する。
そうして、まずはその番号の中で、自分のセリフがどのような順番で出てくるのかを完璧に覚える。これで大丈夫。
きっかけを覚える
次にやるのは、きっかけを覚えること。
自分がどんなセリフを言えるのかどうかを覚えたところで、適切な場面で言うことができれば意味がない。
これは、できれば稽古の中で覚える方がいいと僕は思っている。というか、そっちの方が効率的に身につく。相手役の声と動きとセットで、自分がセリフを言うタイミングを掴むことができるからだ。ただ、そんなことを言っていると演出家を困らせてしまうし、セリフ入れが本番ギリギリになってしまう。
ということで、自分でセリフ入れをする段階では、自分のセリフの直前のセリフまで覚えるようにすると良い。あとは、そのセットがどのような順番で出てくるかを覚えるだけだ。
この覚え方は全く本質的ではないのだけれど、ひとまず覚えるのには役に立つ。あとは、稽古をする中でセリフを自分のものにすれば良い。
長セリフを覚える
ここまで書いてきて気づいたんだけど、どうも「セリフを覚える」というのには、
①セリフのきっかけを覚える
②セリフの内容を覚える
の2種類があることに気づいた。
そして、僕は基本的に①が苦手だ。短いセリフがたくさんあると、どこで何を言えばいいのか全然わからなくなる。ただ、きっかけさえ掴めれば案外すらすらと言えるものである。
ただ、ある程度の長セリフになると、やはりそれを覚えるのに苦労する。ただし、これも短いセリフを覚えるのとさして変わらないようにすることはできる。
まず、長いセリフをいくつかのブロックにわける。これは、大抵は句点(。)の位置で区切られる。そしてその区切りがいくつあるのかを把握する。番号を振ってもいいだろう。一つのブロックのセリフは短いので難なく覚えることができる。あとは、この順番を覚えるだけだ。
長いセリフは、次のブロックに進むためのきっかけが自分の中にあるので、むしろ短いセリフがたくさんある部分よりも覚えやすいと言えるかもしれない。少なくとも、自分一人でセリフを入れなければならないときは。
口に出して読む
色々とテクニックめいたことを挙げてきたけれど、最終的には口に出して読むというのが最強の方法なのかもしれない。特に、集中して覚えるほどでもない隙間時間などに、自分のセリフをぶつぶつと口に出して見るのは非常に効果がある。
というか、本番ではいちいち自分のセリフを頭で思い出していては間に合わない場合が多い。自然に口をついて出てくる必要がある。そのためには、やはり常日ごろから口に出してセリフを覚えておくことが重要だ。
まとめ
多くの人にとっては当たり前かもしれないけれど、セリフ覚えが悪い僕が本番直前に何度も再発明したセリフ入れの方法をまとめた。
他にも、良いセリフ入れの方法があったらぜひとも教えてほしい。
Amazonアソシエイトで月に10万円売り上げた話
という風に書くと少し凄い感じがするんだけど、実は全く凄くない。びっくりするくらいに凄くない。
Amazonアソシエイトで月に10万円売り上げたというのは本当の話だ。最終的には11万円と少し売り上げた。ところが、これはあくまでも「売り上げ」の話だ。10万円売り上げるって凄いなと自分で思ってしまったのだけど、いやいやぜんぜん凄くないぞと思い至ったので、いまこの記事を書いている。
Amazonアソシエイトの仕組み
まずはAmazonアソシエイトというものの仕組みを説明しよう。これは要するにAmazonが提供しているアフィリエイトプログラムのことで、僕が貼ったリンクから購入が発生すれば、そのうちのいくらかが僕の手元に残るという仕組みになっている。
このとき、別に僕が紹介した商品が購入される必要はない。僕が紹介したリンクを踏んだ人が、24時間以内に購入したものであれば売り上げとしてカウントされる。逆に、24時間以上経ってしまえば、僕の紹介したものが購入されたとしても売り上げにカウントされない。
そして、このAmazonアソシエイトは商品によって紹介料率が変わる。一番高いのはAmazonビデオで10%くらいあるんだけど、一番低いフィギュアはなんと0.5%しか戻ってこない。これはつまり、1万円のフィギュアを売り上げたとして、こちらの儲けは50円にしかならないということである。
また、僕のブログで紹介しているのは書籍が多いのだけど、これには紹介料率が3%に設定されている。フィギュアよりは随分とましだが、本は単価が安いことが多い。仮に1200円の単行本が1冊売れたとしても、36円にしかならない。Kindle本はAmazonが猛プッシュしているからなのか8%と高めの料率になっているけれど、僕のブログからKindleで買っていく人はほとんどいない。ビジネス書や漫画であれば電子書籍で買う人もそこそこいるのだろうけど、小説や文芸誌の類は紙で買おうという人が圧倒的に多い。かく言う僕も、ほとんどの本を紙で買っている。
Amazonの売り上げは11万円ほどあったわけだが、僕がこれで手にした「利益」はなんと4000円ほどしかない。すごい。利益率は3.5%ほど。ネットでリンクをペタペタ貼って月に11万円!と聞くと少し凄く見えてしまうものだけれど、手元に残ったのはたった4000円。好きでブログ書いている延長でもらえるお金なので別に何か不満があるわけではないけれど、4000円稼ぐだけであれば、バイトでもした方がよっぽど早い。
大きい数に騙されてはいけない
ただ、やっぱり大きい数字にはインパクトがある。以前、「Amazonアソシエイトで100万円売り上げました!」という人のブログを読んだことがあって、すげえと思って読んだことがあったんだけど、「売上」なので実際の利益はもっと少ない。このブログのタイトルと一緒だけど、いや普通は収益額の方を書くのではないか…?と思うわけで。
もちろん、自分の貼ったリンクからAmazonへ100万円分の注文が発生しているってよく考えたら凄いことなんだけど、でも自分の手元に入ってきた数字を見たら、やっぱりぜんぜん凄くない。
同じようなことは社会にゴロゴロ転がっていると思っていて、例えば会社でも売上が多くても利益率が低いようなところ、あるいは赤字ばかり計上しているようなところには入社してないよねという話。
あと、ブログでも月間PVではなくて「累計PV」という謎の指標を使って(まあ別に使ってもいいんだけど)大きな数字を見せている場合もあり、世の中いろいろと大変だなあと思った次第です。
まとめ
僕もよく「1記事で最高20万PVとりました!」と言うことがあるのですが、これも何日間で達成したのかによってぜんぜん「凄い」の度合いが変わってきますよね。1日で読まれた数かもしれないし、3年くらいかかってやっと達成した数値かもしれない。
でも、とにかく大きな数字を出されると、その裏に存在しているはずの背景が見えなくなる。そんなこともある。というお話でした。
熊本と福岡の距離感について
天神バスターミナルから、20:00ちょうど発のひのくに号に乗った。熊本市内に着く頃には22:00を超えるみたいだ。
僕は熊本に住んでいて、働いている会社も熊本にある。今日は福岡でのセミナーに参加するために朝からバスで福岡までやって来た。往復4時間。実際は高速バスに乗るためにもう一本バスに乗っているので、もう少し時間がかかる。
実は明日も朝から福岡に行かなければならない。別に福岡に泊まっても良かったんだろうけど、会社からは帰って来いとのことだったので、こうしてバスに乗っている。確かにぜんぜん帰れない距離じゃない。今日も7時間くらいぐっすりと眠れるだろう。
僕の勤めている会社は本社が熊本にあって、福岡にも事務所を持っている。当然、熊本勤務の人は熊本に住んでいるし福岡勤務の人は福岡に住んでいるんだけど、福岡勤務なのに週の半分くらいは熊本に来ている人もいる。熊本に泊まることもあるけれど、大抵は午前中に熊本へ来てその日のうちに福岡へと帰って行く。
今までは熊本と福岡って遠い印象があったんだけど、こんな風にした2日連続で行くことになると、思ったより近いのかなと思う。僕はバスで行くから乗り継ぎとかでちょっと面倒くさいけど、たぶん車だったらもっと簡単に行けるはずだ。
とはいえ、高速バスだと往復で3000円くらいする。車でも、高速代とガソリン代を考えたら往復2000円くらいかかってしまうんじゃないだろうか。仕事にかかる経費だと思えばいいけれど、土日にふらっと熊本から福岡まで来れるかなあと思うと、少し戸惑ってしまう。買い物をするなら別に熊本の市街地で事足りてしまう。福岡で観たい演劇をやっている場合もあるけれど、チケット代よりも交通費が高くなってしまうので躊躇してしまう。
僕は福岡県の久留米市というところの出身なんだけど、中学や高校の同級生たちは週末になるとよく天神に行っていた。往復1200円。特急だったら30分くらいで着く。
中高生にとっての1200円は大きい。当時はまだ税込105円だった古本が11冊も買えてしまう。実際、一度に20〜30冊くらいいっぺんに買って来て、でも読み来れずに絶望するような高校生だった。でも、天神に行くよりは絶対に有意義なお金の使い方だと信じて疑わなかった。
でも、今ならほんのちょっとだけあの頃の同級生たちの気持ちがわかる気がする。自転車ではいくら行ってもシャッターばかりの商店街と郊外のショッピングモール、それに付随した馬鹿みたいにでかいゲームセンターと映画館しかないけれど、電車にたった30分乗るだけで、九州で一番華やかな街に着く。
セミナーが終わって、ご飯を食べて、僕は少しだけ天神の街を歩いた。馬鹿みたいにでかい書店とブックオフに行った。迷ってしまったので、慌ててGoogleマップを立ち上げて駅まで戻って来た。
熊本と福岡は少し不思議な距離感だ。よく考えれば、実家のある久留米と電車で往復するのにも3000円くらいかかる。福岡へ2週間に1度行ったとしても、6000円しかかからない。5月に東京へ行こうと思うんだけど、LCCを違っても往復で25000円かかってしまう。
別に用事がなければ行かないけれど、観たい演劇があれば気軽に行っても良い距離かなとだんだん思えるようになってきた。福岡にお住いの方、何かイベントがあれば誘っていただけると嬉しいです。