あとーすログ

文芸、演劇、カメラ、インターネットが好きです。

ミュージカル「CAPPA!」を終えて

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何事も終わってしまえばあっという間だったなという感情しか残らなくて、今回の「CAPPA!」も例に漏れずといった感じです。

 

元々は昨年の7月に行われるはずだったこの公演。震災の影響で延期となり、夏には予告編となる「プレCAPPA!」を上演。それからまた7ヶ月の時を経て、今回の「CAPPA!」本公演へと至ったわけです。

 

そう考えると、足掛け1年以上も稽古をしていたことになります。その他にもいくつか公演はあったし、数度しか稽古のない月もあったけど、それでもこの1年間はずっと「CAPPA!」が頭の片隅にいた。それが終わってしまったというのは、なんだか不思議な気持ちがします。

 

高校生の頃の自分に「23歳になっても演劇やってるよ」と言っても、それほど驚かないのではないかなと思います。当時は演劇とは無縁の生活を送ってたけど、小説を書くのは好きだったし、演劇部に興味がないわけじゃなかった。

だからこそ、大学2年生になるタイミングで、演劇部に入るという選択ができたんだと思います。

でも、ミュージカルに出てるよと言ったら、さすがに信じないかも。しかも熊本で。さらにさらに、のべ1500名もの人たちの前で。これは、大学2年生の自分も3年生の自分も信じないかかもしれない。全くそういう世界とは無縁に生きて来たから。

僕にとって演劇というのはほとんど呪いみたいなもので、やめようと何度も思ったのにまだずるずると続けている。これはいろんな方に失礼かもしれないなと思いつつ、正直に書くのですが、僕には演劇に対する主体性というものがほとんどありません。呼ばれたら出る、というスタンスでここ一年は瀬上大吉氏によく召喚されています(もしかすると、大吉氏が呪いの正体なのかもしれない)。

でももちろん、嫌いだったら演劇なんてやってるわけがなくて、誘われたら出ますって即答しちゃうし、ところがいざ稽古が始まってみると休みが潰れるのでなんで引き受けちゃったんだろうとか考える。けれど、やっぱり終演後のあの達成感だけは、何物にも代え難い。なんて表現を使うと陳腐になってしまうのですが、僕にとって何物にも代え難いものって、実はこの「終演後の達成感」くらいかもしれない。もっと演劇を大事にしなくちゃ。

 

「CAPPA!」で一番好きな登場人物を選ぶとすれば、セトハかなあと思っています。もちろん、他の登場人物にもそれぞれ個性があってたいへんおもしろいんだけど、セトハが頭一つ抜きん出ているように感じます。

どのような環境においても、常に下から這い上がる力。決してナンバーワンやナンバーツーにはなれなくて、ナンバースリーの位置から野心をめらめらと燃やしている。そういう人間らしさ(キャッパなんですけど)が大変個性的で面白いなあと感じました。

 

他にも色々と書きたかったのですが、思い出にばかり浸ってもいられないのでこの辺りにしておきます。

 

次はダイナソーミュージアムの第三回公演に出演いたします。お時間ある方はぜひ。

 

レモンの花の咲く丘へ~その日のために~