あとーすログ

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高校の教育実習(国語)で古典の授業をして、これから実習をする人に伝えたいこと

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先日、高校へ教育実習に行ってきました。
私は近代文学専攻なのですが、授業の関係で古典Bの授業を担当することに。

2時間分の指導案を作り、全部で4回の授業をさせていただきました。そこで、これから国語の教育実習がある方の為に、授業をして感じたことを書かせていただきます。

授業時間は足りなくなるもの

大学の授業などで模擬授業をしていたときは、授業時間が余って困っていました。生徒がいないので、発問と応答の時間が無いのですが、それにしてもかなりの時間を残していたように思います。

しかし、実際に授業をやってみると、時間が全く足りないのです。ちなみに、授業では『枕草子』の「うつくしきもの」をやりました。

古典の授業では現代語訳と単語・文法の説明を行うことが必須ですが、それを行うだけでも大変。

さらに内容の解釈でも、指導官の先生からご指導をいただく度にやりたいことが増えていき、それを全部盛り込んでいったので、最終的に授業時間は全然足りなくなりました。

知識を全て教える必要はない

私は「うつくしきもの」を二時間で授業したのですが、今思うと三時間でやっても良かったなあと思います。ただし、三時間あっても終わったかどうかは分かりません。時間があれば、更に色んなことを詰め込もうとしていたでしょう。

授業においては、自分が知っていることを全て教える必要はありません。全部伝えようとすれば、『枕草子』の概要を説明するだけでも何時間と話すことができるでしょう。

聞かれたときになるべく多くのことに答えられるようにした方が良いですが、授業では、知識の中から精選したものを生徒に届けるべきです。欲張ってはいけません。

指導案を作る前にやりたいこと

指導案を作る前にやりたいことが二つあります。
一つは、自分が受けた授業のノートを読み返すこと。それを見れば、自分がどのように授業を受けてきたかを思い出すことができるでしょう。

もちろん自分が受けたとおりに授業を行えば良いというわけではありませんが、かなり参考になると思います。

2つ目は、可能であれば、自分が扱う教材と同じものを使った授業を見学すること。
学校には国語の先生が何人もいるはずなので、探せば同じ授業をする先生もいるかと思います。

こちらは、指導案を書き上げてからでも見学した方が良いと思います。見ておくと、自分がどう振る舞うべきかがある程度見えてきますよ。

解釈に時間をかけたい

私が高校生の頃は、いかに古典でいい点数を取るかということばかり考えていました。だから、授業で大事なのは現代語訳や単語・文法事項の説明だったのです。

しかし、教える側に立ってみると、そればかりを教えるわけにはいかないと気づきます。当時の人々がどういう生活をしていて、どういう気持ちでいたのか.どういうところが面白いのか、なんてことを教える必要があります。

「うつくしきもの」で言えば、現在の「かわいい」の感覚と近いところが多くて、それがとっても面白いんですよね…!

 

まとめ

 

古典は専門ではないので、指導案を作るのにかなりの時間を要しました。
しかしその分、「ここは生徒も分からないだろうな」というところがよく分かったという風に思います。

指導案を作るのも、授業をするのも本当に大変です。また、自分が伝えたいこともそう簡単にも伝わりません。

しかし、少しでも伝えることができたという実感があると、とても嬉しいものです。

これから教育実習に行く皆さん。大変なこともありますが、得るものも大きいはずです。頑張ってくださいね!