「四角関係」の読み方に関する一考察
先日テレビを見ていたら、番組の中で「三角関係」の話題になりました。
ほうほうと面白く見ていたのですが、それが発展して「四角関係」の話になりまして。そして、その話をしているタレントさんは「四角関係」を「よんかくかんけい」と発音しました。
僕も初めは気にしなかったのですが、やや経って「おや?」と感じました。「四角関係」は「よんかくかんけい」と読むのが普通なのかなと。「よんかくかんけい」は許容される読み方なのかなと。
気になったので、ちょっと調べて考えてみました。
「三角関係」あるいは「四角関係」
そもそも「三角関係」とは何でしょうか。Wikipediaでは、以下のように解説されています。
三角関係(さんかくかんけい)は、三人の人間が同時に恋愛関係に陥った状況、人間関係をいう。 三角関係 - Wikipedia
なぜ三人の関係を「三角形」と図形で捉えるのかは分からなかったのですが、そうすることによって相関図的なものを想起することができるからではないかなと思います。例えば男性が「二股」をかけている場合、女性同士はお互いに知らないことも多いですが、「三角関係」となると、その3人がお互いを知っていてある程度の影響関係にあるということが考えることができます。
図にするとこんな感じ?
また、Wikipediaで「三角関係」は「さんかくかんけい」と読むのだろうということも確認できました。Wikipediaを信用するなとよく聞きますが、読み方くらいは参考にしても良いでしょうか……僕も「さんかくかんけい」と読みますし……。
「四角関係」というのは、三角関係に1人増えたものと考えるのが自然でしょう。四角になってしまうと「相関図」的な感じが薄れてしまいますが、対角線を引けばOKですかね。
実際に書いてみると、「好き」が循環していい感じですね。すべての「四角関係」で「好き」が循環しているとは限りませんが。
「四角関係」の読み方は?
さて、ここからが本題です。「三角関係」は「さんかくかんけい」と読むということで間違いないと思うのですが、「四角関係」は何と読むのでしょうか?
「三角(さんかく)」+「関係(かんけい)」=「三角関係(さんかくかんけい)」
なので、
「四角(しかく)」+「関係(かんけい)」=「四角関係(しかくかんけい)」
となるはずです。ところが、冒頭でも書いたように、テレビであるタレントさんが「よんかくかんけい」と言っていました。そして僕も、それを受け入れそうになってしまった。
僕の内省では読み方の判断がつかないので、Twitterのアンケート機能を使って皆さんに聞いてみました。結果は以下のとおり。
「三角関係」は「さんかくかんけい」と読みます。
皆さん、「四角関係」は何と読みますか?
(直感で読んだ方を選んでください!)
— あとーす (@ATOHSaaa) 2015, 11月 29
これを見ると、おそよ30%の人が直感で「よんかくかんけい」と読んでいることが分かります。「しかくかんけい」の方が優勢ではありますが、「よんかくかんけい」も無視できない数字になっています。
なぜ「よんかく」が許容されるのか
30%の方が「よんかくかんけい」と読んだので、ここでは「よんかくかんけい」を許容された読み方として話を進めます。
なぜ、「よんかくかんけい」という読み方が許容されるのでしょうか。 僕が考えた理由は2つ。
1つ目は、「さんかく」に発音を合わせているという点。
「三角関係」は一般的に使用される言葉で、辞書にも掲載されています。しかし、「四角関係」は「三角関係」の応用的な言葉です。僕の確認した範囲では、「四角関係」を掲載している辞書はありませんでした。
「三角関係」という言葉を考えるとき、僕らは「三角+関係」という構造を一旦忘れ、「三角関係」という一つの単語として意味を捉えます。それを応用して四人の関係を表そうとするとき、僕らは「三+角関係」というように分解し、「三」の箇所に「四」を入れ込んでいるのではないでしょうか。
つまり、僕らは「四角」と書かれていれば「しかく」と読みますが、「四」単体では「し」とも「よん」とも読むことができます。だから、「四角関係」は「し・かくかんけい」とも読めるし、「よん・かくかんけい」とも読めるのです。
ここで「よんかくかんけい」と直感的に読んでしまった方は、「さん」の発音につられて「よん」と発音してしまうのだと考えられます。
もう1つの理由は、日本語で「よんかく」と読む漢字があるということ。それも、「四」を含む形で。
たとえば「『王』は四画の漢字です」と言うとき、「四画」は「よんかく」と発音します。
日常生活で四画の漢字について語り合うことがそれほど無いので、「よんかく」という発音を日常的にするかというとそうでもないでしょう。しかし、それでも「よんかく」という発音は日本語話者の中に染み付いているのではないでしょうか。それが、「よんかくかんけい」という読み方を自然にしているのです。
まとめ
以上、「四角関係」の読み方について考察してみました。
- 「四角関係」は約70%が「しかくかんけい」、約30%が「よんかくかんけい」と読む。
- 「よんかく」と読む場合、「さんかく」の読みにつられている。
- 「四画」を「よんかく」と読むので、「四角」も「よんかく」と読みたくなる。
と、ざっくりこのようなことがわかりました。
ご意見等・ご指摘などございましたら、コメントしていただけると非常に嬉しいです。
あと、現段階では「四角関係」を「よんかくかんけい」と読むと少し恥ずかしいと思いますので、もし「四角関係」の話をする場合は「しかくかんけい」と読むのが無難でしょう。

- 作者: 姫野カオルコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る