あとーすログ

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高野苺『orange』を読んだ

実家に帰ってくると、リビングの机の上に『orange』という漫画が置いてありました。中三の弟のために、母親が買ってきたものとのこと。弟に「面白かった?」と聞くと「面白かった」と答えたので、恐らくここを逃したら一生読むこともないだろうと思い読んでみました。

 

『orange』は別冊マーガレットに初め連載しており、後に月刊アクションに移動した少女漫画。ちなみに僕は少女漫画といえば『花より男子』と『月刊少女野崎くん』しか読んだことがありません。

花より男子』は小学生か中学生のときにドラマがあってドハマりし、37巻ある漫画も2周読みました。今だったら絶対に読まないと思うのですが、小中学生の頃の僕は純粋だったので…。ちなみに、劇場版もしっかり見に行きました。『花より男子』以来、僕は井上真央のことが好きです。そういえば、映画の『僕の初恋をキミに捧ぐ』も井上真央が出ているからという理由で見ました。内容はあんまり覚えてないんですけど、井上真央は可愛かったです。

月刊少女野崎くん』は、普通にギャグとして面白く読めるなあという感じです。なんというか、少女漫画をメタ視点で捉えているように思います。最新刊を常に追っているわけではないですが、家に置いてあるのでたまに取り出しては読んで一人でケラケラ笑っています。

 

さて、話がそれました。今回は『orange』について。正直なところ、めちゃくちゃ好きになったというわけではないのですが、普通に面白く読むことができました。僕は、基本的に出てくる女の子たちが可愛ければなんでもいいので…。

ジャンルとしては、「青春SFラブストーリー」という風に紹介されることが多いようです。一巻の裏表紙にも描いてありますし。確かに未来の自分から手紙が送られてくるという点では「SF」なのでしょうが、それでSFを名乗って大丈夫だろうかと勝手に心配しております。いらぬ心配だろうとは思います。

これから読もうと思っている方もいると思うので結末についてあまり書けないのですが、なんとなく後味が悪いなあというのが僕の印象です。

『orange』では、転校生の翔が自殺する未来を変えるためにヒロイン達が奮闘します。どうして彼女たちが自殺のことを知っているかというと、10年後の自分たちから手紙が届いて、自殺のことを教えてくれるから。ところが、自分たちが翔の自殺を止めることができなければ、手紙を10年後の未来の自分たちが書く動機がなくなってしまい、矛盾が生まれる。そこで、「パラレルワールド」について言及がなされるわけです。

つまり、自分たちが翔のことを救えたとしても手紙を出したヒロインたちの世界では、翔は死んでしまっているのです。そのことを考えると、やっぱり素直に喜べないよなあと。

あと、個人的には須和くんと結婚したヒロインの菜穂がとても良いので、「翔はこのまま死んでもいいのでは…?」と残酷なことを考えたりしていました。

 

過去に戻って人生を変える物語で他に思い出すのは、僕の場合「プロポーズ大作戦」です。僕はドラマを見ていなくて、友だちからノベライズ版を借りて読んでことを覚えています。懐かしい~。その後、弟がドラマの再放送を見ていて僕もチラチラと見ていたのですが、長澤まさみが可愛くて死にそうになりました。ただ、見ていて青春色が強すぎて心臓に悪いので、全部見るのには体力がいりそうです。

プロポーズ大作戦」の結末がどうなったのかは全然覚えていません。でも、自分が幸せになるとき、誰かが不幸になるという可能性はあるんだよなあと考えさせられたことは覚えています。『orange』ではそういう描写はあまりなかったですけど、それでも翔が生きていればやっぱり須和くんは菜穂と付き合えないので、やっぱり「翔はこのまま死んでもいいのでは…?」ということになってしまうんですよね。僕の場合。

 

『orange』の良さを全く伝えられた気がしないのですが、とにかく「翔死なないでええええええ」と「翔が死んで須和と幸せになれええええ」という相反する気持ちが心の中に同居してしまう漫画です。全5巻で僕は2時間かからずに読み切ってしまったので、気になる方はぜひ。

 

 

orange(1) (アクションコミックス)

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