【結果発表】140字小説大賞
こんにちは、あとーすです。
寒くなってまいりましたね。もう2015年も終わってしまいます。
さて、遅くなってしまって大変申し訳ないのですが、140字小説大賞の選考が終わりましたので、結果を発表させていただきます。 140字小説大賞につきましては、以下の記事をご覧ください。
それでは、最優秀賞1篇と優秀賞3篇を発表いたします。
コメントもあわせて掲載しておりますので、お読みいただけますと幸いです。
最優秀賞
今回の応募作品の中で、最も鮮烈な印象を受けたのが@72mikan39さんの作品です。
まずは暗闇。そこへ少女が切り込んでくる。そして、「強烈な輝きを放つ孤独な彗星」という比喩。少女の軌跡が白く光る星座に負けず残っているという記述を確認して、僕は少女がびかびかと光り輝いている情景を思い浮かべました。
彼女は何をしに行くのでしょうか。闇に呑まれた人々にとって、彼女の姿は奇跡に見えることでしょう。
優秀賞
これも星のお話。@amgyharさんの作品です。
テクニックとしては、句点の代わりに改行とスペースを使うのが新しいと感じました。
内容に踏み込むと、「異常な輝き」という言葉が印象的。光り輝く美しさを表現しながらも、そこには恐ろしさが潜んでいます。
「森に落ちてしまった星を空に戻すのが僕の仕事だ」という文章で、一気にファンタジーの世界へ引き込んでしまうのも非常に良いと思います。
@R_pop0308さんの作品。
「街路樹の青い匂い」が全体にもかかっており、水の表現と相まって「青」のイメージがある作品でした。
「決まった形」「決まったルール」。そしてそこからの解放=死 に繋がるというのはかなりお決まりのパターンのようですが、それが「青」のイメージと接続されたとき、美しさが際立つように思います。
@shounen23_botさんの作品。
「ドブ川に景色が流れてきます」という表現に打たれました。
実は「僕」が自慢したいものは、「僕の住む町」のものではなく、ドブ川の上流にある自然のものです。「僕」はそれを無批判に愛し、幻影の象徴である「魚」に触れようとして、結局ヘドロが指に絡んでしまう。
けれど、「僕」はそのことに幸せを感じている。その実感が尊いのではないかと感じました。
まとめ
140字小説の大賞ですので、講評も手短にまとめさせていただきました。解釈などもやってみましたが、間違えているところがあればこっそり教えてくださいませ。
「140字小説」とひとくちに言っても、色々なタイプのものがあるなと今回改めて感じました。今回選出した4作品を見ましても目指すところがそれぞれ違います。
何せ字数制限が140字なので、出来上がった作品が「小説」なのか「詩」なのかを判別することは難しいです。また、ストーリーを紡ぐ人もいればひとつのモチーフを描写する人もいます。でも、それぞれに違いがあって良いと思いますし、それぞれがこれからも140字の限界に挑戦し続けていただければ、今回の企画を主催した身としてはこれほど嬉しいことはございません。
今回は全部で220作品のご応募をいただき、第1回としては成功だったのではないかなと思っています。第2回も開催できればと思っておりますので、そのときは皆さまよろしくお願いいたします。
できれば第2回は、今回受賞された方、受賞を逃したけれど光るものをお持ちの方などをお誘いして、僕以外の審査員も迎えた形でより公平な審査ができれば良いなと考えております。
なお、惜しくも受賞を逃された方の作品で、応募の際に140字小説botへの登録を「希望する」にしていたものにつきましては、140字小説botへ登録させていただきます。
それでは、今後とも140字小説大賞と140字小説botをよろしくお願いいたします。
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