演劇のセリフを1年ぶりに覚えた僕が、演劇について思うこと
11/21と22、久しぶりに演劇をやることになりました。演出は後輩の瀬上。これまで何度か一緒に演劇をやってきた仲間が半分以上なんですけど、元劇団四季の小松野さんと一緒の舞台に立つことができるって、よく考えるとすごいことなのかなあと考えたりします。
僕は演劇が下手くそです。その理由は、大きくわけて2つあります。
1つは、そもそも僕はとても滑舌が悪いということです。どれくらい悪いかというと、僕は自分で発した言葉が何と発音されたか全然わからないことが多々あります。役者としては致命的な欠陥です。
そしてもう1つは、僕はそんなに真面目に演劇に取り組んでこなかったということ。僕が演劇を始めたのは大学1年生の冬からでした。そこから大学の演劇部の公演にぼんやりと出続け、気づけば引退を迎えていました。
ところが、僕よりうまい人たちは、ほとんど外部の公演にもよく出演していました。今回の演劇で一緒に主演する馬渡さんは僕と同回なのですが、年に何回舞台に立つのだろうと心配になるくらいによく外部公演に参加しています。また、僕の後輩でも、僕より舞台に立った経験が多い人はいくらでもいるはずです。
僕が1つ前に出演した舞台は、熊本学生演劇連盟の新歓公演でした。その時の僕に与えられた役は冷蔵庫。「学芸会かよ!」と突っ込みたくなりますが、本当に冷蔵庫の役をやりました。セリフはなく、たまに扉が開けられるのを待つだけです。
さらに1つ前に出演した舞台ではセリフがそこそこあったのですが、よく考えるとこれはもう1年前。つまり、僕は1年ぶりに演劇のセリフを覚えることになりました。
実は今回も「あんまりセリフないから~」と誘われたのですが、1年前にやったときの3倍くらいセリフがあるので、「大丈夫かよ~」と稽古の度に考えていました。僕は、セリフを覚えるのが非常に苦手なのです。
繰り返します。僕はセリフを覚えるのが苦手なのです。僕が最初に出演した舞台は20分ほどの作品だったので難なく覚えることができたのですが、2回目に出演した作品は1時間超のものだしほぼすべてのシーンに出演していたので、セリフ量が膨大でした。それまで僕が暗記できた最長の文章は「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ~」程度だったので、セリフを覚える地獄のような日々が始まりました。
で、結論から言うと、覚えられませんでした。いや、公演が出来るくらいには一応覚えたのですが、4回公演のうち1回の公演ではセリフを大幅に飛ばしてしまうなどして、セリフを覚えることの大変さを実感しました。
それから、僕はセリフの少ない役だと喜ぶようになりました。これは、セリフを覚えるのが大変だという理由もありますし、僕の滑舌が悪いという理由もあります。あんまり良くないので、これから演劇をやる人はセリフが少ない役だったらがっかりしてくださいね。
さて、それで初めの話に戻るのですが、僕は1年ぶりにセリフを覚えることになりました。しかも今回は稽古期間が大変短く、地獄だな~という感じ。
最初は台本が完全には出来上がっていないこともあり、実質覚える期間は2週間くらいだったでしょうか。プロの俳優さんの中には台本を1回読んだら覚えられる人もいるらしいのですが、ポンコツの僕にそんなことができるはずもありません。
ところが、です。今回、僕は不思議といつもより楽にセリフを覚えることができたような気がします。若干不安なところがないわけではないのですが、いつもよりは格段に覚えるのが早かったように思います。その理由は、主に次のような要因があるのかなあ、と。
- 感情を考えながら読んだ。
- どうやったら滑舌よく読めるのかを考えながら読んだ。
- 台本全体のことを考えながら読んだ。
だいたいこんなところです。本当に今回は、「覚える」というより「読む」ことに徹したのではないかなと思います。それも、口に出して読む。
今回の稽古中、演出の瀬上がよく「セリフを自分のものにしてください」と言っていました。最初は意味がよくわからなかったのですが、本番を直前に控えた今ならばその意味がわかるような気がします。セリフは頭で覚えるだけではなく、身体に覚えさせて「自分のもの」にしないとダメなのだなあと今回の稽古でよくわかりました。
演劇をやる度、稽古中に「もう絶対に演劇なんてやらない」と思うのですが、なんだか結局半年に一回くらいは舞台に立っているような気がします。次もまたどこかでやるのかな? 実は、これが人生最後の舞台なのではないかなあと思っています。
なんてどうでもいいことを、21日の朝10時に予約投稿設定して、僕は眠ることにします。頑張るぞー。