教員免許を「なんとなく取ろう」と思っている学生に、教育実習を終えた僕が伝えたいこと
たぶん教員にはならないけれど、とりあえず教員免許を取ろうと考えている人へ。
先日(といっても、1ヶ月以上前ですが、高等学校での教育実習に行かせていただきました。
僕は文学部なので、別に教育免許を取ることは必須ではありませんでした。正直な話、二年生のときに教職の授業が始まるとき、「取れるものなら取っておこう」という気持ちでん教員免許取得を目指し始めました。
そして今教育実習を終えて、これから教職の授業を取ろうと思っている人、あるいはすでに教職をとっている人に向けて、僕が思うところを書いていきたいと思います。
10人いた希望者が、2人に
僕は国語の教員免許取得を目指しており、2年生のときには、国語の免許取得を目指している人が10人ほどいました。
3年生の前期まではほぼ誰も脱落することがなかったのですが、3年生の後期になると、なんと僕を含めて2人になってしまいました…。これは、4年生で行う教育実習に原因(というと少し語弊がありますが)があります。
学校にもよると思いますが、僕がお邪魔させていただいた高校では5月の終わりから6月の頭までが教育実習期間でした。
他の学校でも、だいたい5月~6月くらいまでに行われているところが多かったようです。すると、就職活動が忙しい時期とかぶってしまうんですよね。
教員を目指している方は別に良いのですが、「なんとなく取ろう」と思っている人は、それがネックで断念してしまうようです。
もう就活と教育実習がかぶることはわかりきっていることなので、「なんとなく取ろう」と思っている人は、それでも良いかどうかをよく考えて欲しいと思います。
教員にならなければ、免許は10年で失効する
知っている方も多いと思うのですが、教員免許は10年ごとに30時間以上の講習を受けて更新する必要があります。
しかし、この講習を受けることのできる条件は、教育職員免許法第九条の三で以下のように定められています。
3 免許状更新講習は、次に掲げる者に限り、受けることができる。
引用:教育職員免許法
つまり、教職員にならなければ、免許状は意味がなくなってしまうのです。
教職の授業は単位にならないものも多いですし、教育実習の準備や実習自体にもたくさんの時間がかかります。
免許取得を目指すのはもちろん悪いことではないのですが、10年後に意味をなさなくなるのに、大学生活の貴重な時間を割いて良いのかということは、よく考えた方が良いと思います。
(2015/10/23追記)
コメント欄にて、「更新せずに免許失効になっても講習を受ければ免許はまたもらえますよ」というご指摘を受けました。
私の不勉強ゆえ、誤解を招くような表現をしておりまして申し訳ありません。
免許失効後も、所定の講習を受ければ免許の再交付を受けることができるようです。
失効後の免許の扱いについて、詳しくはこちらをご覧ください。
先生を体験できる経験は滅多にできない
ここまでネガティブなことを書いたので、良かった面を書いていこうと思います。
まず、「先生」を体験できるなんてことは、滅多にできることではありません。もちろん、教員を目指している人であればずっと先生を経験することになると思いますが、今回は「とりあえず取ろう」と思っている人に向けて書いていますので。
もちろん僕も高校生を経験してきたわけですが、一度大学生になってから見る高校生は、全く違うものでした。
また、受けるだけでは気づかなかった授業の大変さにも気づくことができます。よく授業の準備で眠れない日が続くと言いますが、僕も眠れない日が続きました。あの50分の授業をするために、たくさんの時間がかかります。
濃密に「働く」ことを実感できる
インターンにがっつり参加していたり、バイトを一生懸命している人にはあまり関係ない話かもしれませんが、「働く」ということを強く実感することができます。
授業をする、掃除の監督をする、生活の記録にコメントをするといった明確なタスクがありますし、場合によっては臨機応変な対応が求められることもあります。僕はリモートで6ヶ月インターンをしていたのですが、実際の教育現場に行くと、何倍も「働く」実感があります(もちろん、インターンも頑張ってますよ)
まとめ
もっと伝えたいことがあった気がするのですが、文字にしてみると意外と少なくなってしまいました。
教育実習も、教職の授業も、どちらも貴重な経験になるはずです。少なくとも、私はそう思っています。
しかし、そのためにはたくさんの時間を割かなければならないし、教育実習は就活とかぶるし、免許は10年で失効してしまうということを覚えておいてほしいと思います。
教育免許取得を目指す方、頑張ってくださいね!
(正確な情報を残しておきたいので、間違いがあればご指摘いただけると嬉しいです)
「絶対に教員になる!」という方も、「とりあえず取っておこう…」という方も、2週間ないし3週間も時間をかけるのですから、有意義な時間にしてほしいなと思います。事前指導などを含めて、しっかりと予習をして臨みましょう!