あとーすログ

文芸、演劇、カメラ、インターネットが好きです。

舞城王太郎『ビッチマグネット』を読んだ

これは良かった。舞城王太郎『ビッチマグネット』。こんにちは、あとーすです。

 

舞城王太郎という作家を知ったのはつい最近のことで、始めて読んだのは文庫版の『みんな元気。』です。去年の夏頃だったような気がします。表題作を含めて3作品を周力しているのですが、ぶっちゃけた話をすると超つまらなかったんですよね。一番長かったのが表題作なので、表題作の話をしますと、家族を主題に書いているんだろなあというのは分かるんですけど、手法が独特で読んでて意味が分からないんですよね。これは僕の読解力不足に起因しているのかもしれないのですが、あれを面白いと思う人はどういうところを面白く読んだのでしょうか。気になります。

みんな元気。

みんな元気。

 

 

ところが、『ビッチマグネット』はとても面白かったです。基本的な部分は確かに『みんな元気。』に似ているところもあるのですが、圧倒的に情報が整理されているしわかりやすいなと思いました。もしかすると、そういう風に整理することで舞城王太郎らしい何かが捨てられているのかもしれませんが、まあそれは3作目を何か読んでから判断することにしようかなと思っています。

『みんな元気。』と『ビッチマグネット』をどちらも読んで思うのは、時間の進め方が本当に唐突だということ。会話文を中心としてほんの数時間は数日のことをギュッと書いて、突然3行くらいで一気に1年経っていたりする。しかも、そこには結構人生において重要なことが書かれていて、たとえば大学に入学したとか、初めて彼氏ができたとか、初体験をしたとか、ええそれは小説の材料になることじゃないんですかーーーー。みたいなことです。それを軽やかに捨てて、小説の本題に正しく向き合って書いているというのは非常に面白いというか、読んでいると無駄なことばかり書いているような気がするのですが、無駄なことはもしかすると綺麗さっぱり捨ててしまっているのかもしれません。

 

あと、『ビッチマグネット』を読んでいると、お前ははてなブロガーかよとつっこみたくなる瞬間が何度か訪れます。散文ではあるんだけど、小説ではなくて、じゃあ何かというとブログに近い。それも、ちょっと頭のいい人が書いたはてなブログの記事。言葉を定義したがって、その定義に従ってどんどんと筆を進めていく、みたいな。そんな感じです。

 

いや、もう、とりあえず読んでみてください。今回は以上!

 

ビッチマグネット

ビッチマグネット

 

 

映画『オデッセイ』を見た

映画館なんてもう何年も行ってないなあと思っていたのですが、よく考えれば最後に行ったのが恐らく高校生のとき。大学生になってからは、映画を一度も映画館に見に行ったことがありませんでした。

TSUTAYAでよくDVDをレンタルしていたので、まあ大学の4年間で好きな映画の1つや2つはできたのですが、まさか映画館に行ってみたことがなかったとは……。自分でもびっくりしてしましました。このままではいかんと思い、映画館で『オデッセイ』を観てきたということです。

 

せっかく映画館で見るのだから、ちょっと高めだけれど3Dで観てきました。3Dは吹き替え版しかなかったのですが、それが普通なのでしょうか? まあ、吹き替えでも字幕でもどちらでも別に良いのですが……。

当日は絶対にコンタクトレンズを入れて行こうと思っていたのですが、やや寝坊してすっかり忘れてしまっており、メガネの上に3Dメガネをかけて見ることになりました。見れないことはないのですが、左手でメガネを抑えながら右手でポップコーンを食べることになります。ドリンクを飲みたいときに非常に困ります。目が悪い良い子のみんなは、コンタクトレンズをして3D上映に臨みましょう。

 

さて、ここからは映画の内容について。

最初から、「うわあ理系の世界だ……」と思いながら映画を見ていました。自然科学についてもSFについてもあまり知識がないので、色々と注釈がついてる方が見やすいなと思ったのですが、まあそれは野暮というものでしょうから……。分からない単語は後で調べようと思って最初のうちは覚えようと思っていたのですが、5単語に1つくらい分からない単語が出てくるシーンがあったので、そこで覚えることは諦めました。

また、火星に一人取り残されたマークは、自分でお腹に突き刺さった通信用アンテナの欠片を取り出した後、「俺は植物学者だ! クルーの排泄物でじゃがいも作るぜ!!」というノリで農耕を始めます。超ポジティブ。Twitterでも、「鬱屈とした話だと思ったらポジティブで笑った……」みたいなツイートを散見いたしました。

 

火星に次の宇宙船が来るまで4年。もしかすると、このままマークが次々と発明をしていって快適な住環境を手に入れるのでは? そういう物語なのでは? と思ったのですが、やっぱり火星での生活は予測もできないトラブルがつきもの。マークの生存をかけた闘いは、さまざまな方へ向かい始めます。

結局マークはどうなるのか、というのは本編を見てからのお楽しみということにしたいのですが、僕が想像していた終わり方とは全然違ったので、ちょっとだけ残念でした。個人的には、火星での娯楽を発見して4年後に救出しにきた人たちに「火星の暮らし? ご覧の通り快適さ!」と言いながら余裕しゃくしゃくで笑うシーンを見たかったです。

 

ところで、マークを助けるためにNASAも様々な手を尽くすのですが、一人の人命にこれだけお金をかけることができるのだろうか……とぼんやり考えながら映画を見ていました。

同じようなことを考えている方がいたので、リンクを貼っておきますね。

d.hatena.ne.jp

 

ああ、でも率直に言うと、この素晴らしい映画を観ながら、僕は「ひとつの命の価値」みたいなものについて、ずっと考えていたんですよね。

 これだけのお金とリスクをかけて、「火星にとりのこされた男」をみんなが救おうとします。

 しかしながら、世界では、空爆に巻き込まれて命を落とす小さな子供もいれば、その場にいただけで、通り魔の犠牲になってしまう人もいる。

 彼を救うための費用を使えば、アフリカで、かなり多くの命が救えたはず。

 同じ「ひとつの命」なのに。

 劇中では「論外」とされたけれど、「他の宇宙飛行士をリスクにさらす」よりも「ワトニーを見捨てる」ほうが、合理的な選択なのかもしれません。

引用元:映画『オデッセイ』感想 - 琥珀色の戯言

 

全くこの通りだな、と僕は思いました。僕だったら絶対にワトニーを見捨てます。もちろん、ワトニーが僕の大親友だとかそういう事情があればまた別ですが……。

しかし、ここでワトニーを救うという選択肢が生まれるということの裏側には、民衆に希望の物語を与えるという思惑があるでしょう。火星で一人取り残されたワトニーはかわいそうな人であり、一度死んだと思われた人であり、宇宙で一人取り残されたというドラマティックな背景の持ち主です。そんなワトニーを救うということは、それ自体が物語となって大衆に届くことでしょう。また、それは人々でエンターテインメントを提供することになるのです。(ワトニーが救われる、というエンターテインメントを僕が享受して何言ってんだという話ではあるのですが……)。

 

久しぶりの映画鑑賞、非常に面白かったです。家で『ダイ・ハード』とか見てもつまんないなあと思うことが多いのですが、映画館で洋画の爆発シーンとか見ると迫力が違いますね。3Dであったということも迫力に関係していたのかもしれません。でも非常に目が疲れるので、映画館に今度行くときは通常版を見ようと思います…!

 

ちなみに、原作の『火星の人』も読みたいなと思っております。

 

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 

以上、あたたかい布団の中より、愛をこめて。

Googleフォームを使って100件以上のアンケートを集めるための覚え書き

このブログやtaskey Uで記事を書くために、あるいは無間書房ラヂヲでのネタにするために、Googleフォームでアンケートを取ることがあります。アンケートは基本的に回答件数が多いほど色々なことに使えるので、僕もなるべくたくさんの回答を集めることができるように色々と工夫しています。

そこで今回は、僕がアンケートを取るときに気をつけていることをいくつか書いていこうと思います。

 

アンケートの内容・タイトルは興味を引くものに

企業のアンケートなんかではよく「回答していただいた方から抽選で○名様に~」というように回答するメリットを付与しようとするものが多く見受けられます。しかし

Googleスプレッドシートでアンケートをしようという方は、恐らくそういう特典を付けることは考えていないのではないでしょうか。考えている方がいれば、たぶんその特典付けるだけで100件は集まると思います。

そこで、アンケートを見た方が思わず答えたくなるような内容・タイトルにすることが重要だと考えます。

「内容」に関しては、アンケートを取る「目的」に関わる部分なので、変更が難しいかもしれません。記事用にアンケートを取るときは、いくつか案を出し、アンケートで回答が集まりそうなネタをわざわざ選ぶこともあります。しかし、そうすることができない場合ももちろん多々あるわけで……。

そういう場合は、せめてタイトルだけでも回答者の興味を引くものにするべきだと考えています。

たとえば、

「日本近代文学に関するアンケート」

よりも、

「あなたの好きな日本の文豪は誰?」

というタイトルの方が、回答者の興味を引くのではないかなと思います。ポイントは、タイトルを見るだけでアンケートの内容がある程度分かるようにするということ。漠然としたタイトルでは、そもそもアンケートへのリンクすら踏んでくれない可能性があります。

このタイトルでアンケートを取る場合、「好きな日本の文豪」以外にも「日本近代文学」について色々と尋ねたいことがあるかもしれません。その場合は、「好きな文豪」を最初の質問に持ってきて、それとうまく絡める形で他の質問を設置しましょう。

 

質問数はなるべく少なく

無駄な質問はなるべく控えるようにしましょう。項目が20個とかあると、途中で答えるのをやめてしまう可能性があります。

もちろん、自分が欲しい情報はしっかりと質問に含めるべきです。しかし、余計な質問は削った方が回答者としては答えやすいです。

たとえばアンケートを取るときに「年齢」「性別」「職業」などの属性を尋ねる場合がありますが、この辺りも不要であればガンガン削りましょう。僕の場合は特に「職業」を尋ねる必要性を感じることがほとんどないので、だいたいのアンケートでは削っています。

 

なるべく「ラジオボタン」を使う

自分で文字を打つスペースが多いと、書いているうちに嫌になってきてしまう回答者もいると思います。僕がそうです。

先ほど挙げた年齢や性別など、できるだけラジオボタンを使って選択できるようにしましょう。

また、質問も自由に書いてもらうよりもラジオボタンで回答してもらった方が回答者の負担が少なくなります。もちろん、これはアンケートの種類によっては難しいと思うので、あくまで参考程度にということで。

 

アンケートの露出を増やす

すごく当たり前のことを書くんですけど、アンケートへのリンクを多くの人に見てもらわなければ、たくさんの回答を得ることはできません。ですから、アンケートがなるべく多くの人の目に触れるようにしましょう。

僕の場合は、Twitterを頻繁に使うので、タイムラインに何度か流すことで目標の数字を大抵突破することができます。リアルでの友だちが多い人であれば、LINEのグループやFacebookに投稿するのが有効かもしれませんね。

特にTwitterの場合は、同じ投稿を数回したくらいでは気にする人はあまりいないと思います(フォロー数が少ない人に鬱陶しがられるかもしれませんが……)。

目的の回答件数に達するまでは、何度もアンケートのURLを流しましょう。

 

まとめ

元も子もないことを言ってしまえば、Twitterのフォロワーが多かったり友だちが多かったりすれば、それだけでたくさんのアンケートを集めることができます。しかし、そうやって油断してアンケートの内容に気を配っていないと、回答が全然集まらないなんてこともありえます。経験談です。

逆に言えば、フォロワーがそれほど多くなくても、アンケートが回答しやすいものであれば、たくさんの回答を得ることができるでしょう。

ここに書いていることはあくまでも基本的なことなので、皆さんで独自のアレンジをしてみてください。

 

以上、暖かい布団の中より、愛をこめて。

斜に構えてでもイベントを楽しめない人は、心がゆっくりと死んでいく

小3の冬、サンタさんからの手紙の筆跡があまりにも母親のそれと似ていてサンタの不在を知りました。こんにちは、あとーすです。

 

クリスマスについて

子どもの頃は無邪気にクリスマスを楽しんでいました。それはサンタの不在が発覚しても変わらず、中学生まではプレゼントをもらっていたし、高校生になってからは現金で5千円もらっていました。

しかし、大学に入ってからはクリスマスを十分に楽しめなくなってしまった気がします。それは、世間一般の「クリスマスはリア充イベント」という風潮が関係しているように思います。僕はリア充*1ではないので、「クリスマスなんて、そもそも日本のイベントじゃないんだからw」とかツイートしていました。

していたんです。大学に入ったばかりの頃は、「クリスマスなのにぼっちだ~」みたいなことを言っていて、そういう意味ではしっかりクリスマスというイベントに反応してそこそこ楽しんでいたんですよね。

しかし、2015年の冬は様子が違いました。卒論で忙しかったこともありますが、2015年に僕は全く、クリスマスに関することをツイートしていないんですよね。これは、意識してそうしていました。クリスマスに関するネタツイートがTLを埋め尽くす中で、「毎年クリスマスのネタツイートするのってダサくない?」くらいのことを思っていました。

けれど、残ったのは虚しさ。12月26日になって、進捗の思わしくない卒論を書き進めながら、僕は虚無を抱えていました。クリスマスを終えて年末に向けたネタツイートがTLを埋め尽くす中、僕はずっとクリスマスのことを考えていました。思えば、2015年は、ほとんどのイベントから逃げていたように思います。バレンタインも、ハロウィンも、誕生日も。本当はそういうものを楽しみたいのに、なんとなくめんどくさくなっちゃって、ダサいと思って、楽しんでない自分に気づいてしまったのです。

 

プレゼントをするのが苦手

 僕はプレゼントをするのが苦手です。他の人にプレゼントをするのが好きという方もいますが、僕はどちらかといえば嫌いです。もちろん僕は誰かにプレゼントをもらうと嬉しいので、他の人にもプレゼントをすれば喜ばれるだろうなあという気持ちがあるのですが、そうは言ってもあまり得意ではありません。

それは別にお金をかけるのが嫌だとか、プレゼントを選ぶのが嫌だとかそういうことではなくて。いや、そういうのも含まれていないとは言えないのですが、圧倒的に何をあげたらいいのか全然わからなくなってしまうのです。

そうして、僕は人にプレゼントをあげることがないので、自分がもらうこともほとんどありません。これは仕方のないことなのですが、だからこそ、イベントを楽しめないと心がゆっくり死んでくぞと声を大にして言いたいわけです。

 

今年こそは

というわけで、2016年はしっかりとイベントを楽しんでいきたいなと思っています。軽率に3ふぁぼくらいしかもらえない斜に構えたネタツイートをして。プレゼントをあげることのできる場面では、ちゃんとプレゼントをして。そのために、プレゼントを渡し損ねているあの人にまずは渡さねばな、と考えているところです。

 

以上、暖かい布団の中より、愛をこめて。

*1:リア充」の定義は様々かと思いますが、ここでは「EXILEが好きそうな人」「ウェイウェイしてる人」くらいの意味です。

行き詰ったときにアイディアを出すたった一つの方法

結論から先に言います。アイディアを出すためには、まずはインプットを行いましょう。

 

カタカナ語をあまり使いすぎると嫌われてしまうため、「インプット」の言い換えを探していたら「入力」以外に思いつきませんでした。こんにちは、あとーすです。

 

人生において、様々な面でアイディアを出すことを求められます。大学に通っている方であればレポートや卒論の題材を考えなくてはならないでしょうし、お仕事をしている方であれば、企画書の内容や効率的な営業の方法を考えたりすると思います。

だいたいはてなブログとかでバズる「泉のようにアイディアが出てくる7つの方法!」というタイトルの記事は、ブレインストーミングマインドマップマンダラチャートなどのすでに知られている様々な方法をただまとめただけのものである場合が多いです。そういう発想方法がまとめられている記事は非常に有用に見えますし、僕もよくブクマします。その結果、同じようなブクマが死屍累々。読んでみても、既視感を覚えるものばかり。それでも、また数日経つとホッテントリにアイディア出しの方法が……。

ぶっちゃけ、ブレインストーミングマインドマップマンダラチャートも、アイディア出てこないじゃないですか。いや、有効活用できる場合もあります。ただ、まっさらな状態では、これらの方法は全くといっていいほど役に立たないんですよね。それぞれの方法は、アイディアの種を可視化して組み合わせるためのものであって、アイディアの種は生み出してくれません。

 

もし、全くまっさらな状態から何かアイディアを出したい場合。そんなときは、まずインプットすることが重要です。

たとえば、漱石の『こころ』に関するレポートを提出しなければならないというときに、『こころ』に対する独自の読みをレポートに書くことも可能でしょう。しかし、普通に読んでいるだけではなかなか『こころ』をどう読んでいのか分からないし、独自の読みも展開することが難しいのではないでしょうか。

レポートを書く際にまず私がやるのは、参考になりそうな書籍や論文を読むということです。そこから、新たな視点を発見することができるでしょう。さらに、もしかするとそこに書かれていることに対して疑問を持つことがあるかもしれません。その疑問を膨らませて論じるだけでも、ある程度レポートとして成立することでしょう。

 

だから、僕は何かアイディアを必要とするものに取り組む場合は、それに関連することをひたすらインプットして、アイディアの種が生まれるのを待ちます。僕は小説を書くのが好きなのですが、「小説を書かなくちゃなあ」と思ってアイディア出しをすることはほとんどなくて、生活をしていて色々なインプットにさらされているうちに「これを小説にすると面白いんじゃないか?」「これとこれを組み合わせると面白い小説が生まれるんじゃないか?」ということを起点にして、小説のアイディアをどんどん広げていく場合が多いです。また、面白い小説を読んで、「この手法は参考になるなあ」と思って取り入れることもしばしば。

 

「インプット」には色々な種類があります。本を読むこともインプットですが、普段通りの生活を送ることもある意味ではインプットになり得るでしょう。普段の生活の中でもっとインプットを行いたい場合は、普段とは違う行動をすることでそれは可能になるはずです。いつもとは違う道を通ったり、いつもとは違う店に行ってみたり。そうしていつもとは違う生活スタイルを取り入れてみることで、新しい発見があることでしょう。

 

と言いながら、僕はひきこもり体質なので、これからは積極的に外に出かけたいなと思っています。

 

以上、暖かい布団の中から、愛をこめて。

BOOK SHORTSの作家インタビューが豪華なことを、作家志望の皆は知らない

こんにちは、あとーすです。

皆さんは、好きな作家のインタビューや対談記事を読みますか? 文芸誌で行われていることが多いのですが、ネットで活発に情報発信を行っている作家でないと、インタビューが掲載された号を買い逃してしまうことも多々あると思います。後でバックナンバーを探そうと思っても、探し出すのが面倒なんですよね。探してもなかなか手に入らないこともあったりして。ちなみに私は、綿矢りさ芥川賞受賞インタビューを読もうと思い、先日、『文藝春秋』の2004年3月号を古本で購入しました。

 

今はネットにインタビューが載ることも多くなりましたね。無料でいつでも読めるものが多いので、特に好きな作家でなくとも色々読んでみると面白いですよ。

ちなみに、たった今「綿矢りさ インタビュー」で検索したところ、楽天ブックスのインタビューが出てきたので後で読むことにします!

楽天ブックス: 著者インタビュー - 綿矢りさ

 

さて、今回紹介したいのは「BOOK SHORTS」というサイトです。

 

このサイトは、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアが主体となって行っているプロジェクトのサイトです。1,000~10,000字程度の「翻案小説」を募集しています。大賞賞金はなんと100万円!

ちなみに、私も以前に応募して優秀賞をいただいたことがあります。

『恥の心』伊藤祥太(『恥』太宰治) | BOOK SHORTS

 

小説作品を公募するサイトでは、応募要項のみが書かれているのが普通です。しかし、このサイトでは編集部によるコラムや著名な作家へのインタビューが掲載されています。

恐らく、コラムやインタビューを用意することで検索流入を狙い、賞の知名度を上げることが目的なのでしょう。そして、インタビュイーがとても豪華なのが特徴です。気になった方々のインタビューをいくつか貼ります。

重松清さんインタビュー | BOOK SHORTS

円城塔さんインタビュー | BOOK SHORTS

三浦しをんさんインタビュー | BOOK SHORTS

辻村深月さんインタビュー | BOOK SHORTS

最果タヒさんインタビュー | BOOK SHORTS

など、ジャンルを問わず著名な作家のインタビューが掲載されています。

すべてのインタビューは、こちらから読むことができますので、気になるという方はぜひ読んでみてください。

Interviews | BOOK SHORTS

 

最初の方はコラムなどもあったのですが、このサイトの直近の投稿を見ると賞の結果発表とインタビューばかりですね。

 

さて、このインタビューを掲載していることでどれほど効果があるのかなと気になったので、踏み込んで少し調べてみました。

SimilarWebというサイトにURLを入れてみると、そのサイトがどの程度見られているのかというのが大まかに分かります。

「BOOK SHORTS」のURLを入力して調べてみた結果がこちら。

Bookshorts.jp Analytics - See Traffic Ranking & Stats

 

SimilarWebによると、月間の訪問者数が8,000でした。著名な作家のインタビューを揃えている割には、意外と訪問者数が低いような気がしますね。1人あたりのページビューが2.67なので、こちらは凄い。(当ブログは1.5を切っています)。

もしかすると、意外と皆ここに作家インタビューが掲載されていることを知らないのでしょうか? あるいは、作家インタビューなんて読みたい人が少ないのでしょうか?

たぶん知らない人が多いだけなのではと思いまして、僭越ながらこうして紹介記事を書かせていただいているわけです。

インタビューももちろんですが、本体である賞も魅力的ですので、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか。1ヶ月区切りで優秀賞を出しており、2015年度分は3月まで募集しているようですよ!

BOOK SHORTS

引きこもると、小説のネタに困ります

僕は暇な大学生というやつで、もう授業もほとんどないし、平日はだいたい家でゴロゴロしています。休日も、特に平日と区別がないのでゴロゴロしています。

ゴロゴロばかりしていると何が困るって、小説の内容が全然思いつかなのが一番困ります。書きたい気持ちはあるのに、書くことが全くない。人と会わないので、僕の中で学びもなければ葛藤もないわけです。たまに人と会うこともあるけれど、それも同じ人ばかり。違う価値観の流入もない。だから、僕の小説では家でゴロゴロしているかコンビニにに行くだけの主人公が生まれてしまうのです。

その点、高校時代のことを思い出すとまあなんとか書けなくもないことないのかなあと思います。けれど、高校時代の感傷を再生することは10代までの特権であるような気がして、気が咎めてしまう部分があります。7つ離れた弟が今年高校生になるのですが、弟がいる空間を描き出すことは、もう今の僕には無理なのではないかなあと思うのです。

僕の小説には、主に若い人たちしか出てきません。それは端的に僕の経験の浅さと僕の交友関係の狭さを表していると思います。まあ経験についてはある程度年齢に比例するところもありますが、交友関係については本当に広げといた方がいいよ、と誰へということもなくアドバイスしたくなります。あるいは、僕が僕に向けて言っているのかもしれません。

そういえば中学や高校の頃、そんなに好きでもないソフトテニスを部活でやり、大変な仕事もある生徒会をやっていました。ぼくは、どちらとも交友関係を広げるためにやっていたのだなあと今になって思います。当時から誰かと友達になるのが苦手だったので、そんなに広がらなかったような気もしますが…。でも、部活に入っていなかったら僕は本当に友達がいなかったろうなと思います。小説なんて一行もかけなかったかもしれない。まあ、友達が一人もいないやつの小説というのは、それはそれで面白そうですが…。

もうあと2ヶ月もしたら僕は働き始めていて、いろんな出会いがあるのだろうなあとぼんやり想像しています。中学生の頃、すべての生活は小説のネタになるために存在しているのだと割と本気で考えていて、なんというか、小説のネタになるような生活を送らないと過去の僕に申し訳ないのかなあと思います。やっぱり、中学・高校は強制的に色んなことが起こる場所ですね。大学では色々なことから逃げてしまうことができて、ずいぶんと逃げグセがついてしまったなと思います。

さて、この記事から得られる教訓は…?と僕に聞かれてもよく分からないので、小説を書く方も書かない方も、今日1日を幸せに暮らしましょう(暖かい布団の中から、愛をこめて)